とても悲しく残念なことですが、闘病中にお見舞いをいただいたものの、病気が回復することなく亡くなってしまうという事もあるかもしれません。このような場合、親族として、故人に代わってお世話になった方へきちんとお礼をしたいものですね。それでは見ていきましょう。
お返しをする前に亡くなった時
とても悲しく残念なことですが、闘病中にお見舞いをいただいたものの、病気が回復することなく亡くなってしまうという事もあるかもしれません。このような場合、親族として、故人に代わってお世話になった方へきちんとお礼をしたいものですね。それでは見ていきましょう。
生前頂いたお見舞品のお礼
自分の家族や親戚が入院してお見舞い品をいただいたけれど、万が一回復せずに入院中、もしくは退院後に亡くなってしまったという場合は、「亡くなってしまったのだからお見舞い返しは必要ない」という考え方もあります。
これは本来お見舞いのお返しは「おかげさまで、病気やケガが完治して元気になりました」という報告の意味合いがあるためです。しかし現在では、生前お見舞いやお世話になった感謝の気持ちを込めて「御見舞御礼」として、「弔事包装」で先方にお返しするのが最も一般的になっています。
弔事の場合も基本的にはいただいた額の1/3~半額程度の品物を用意します。品物は形に残ってしまうものは避け、厄災をあとに残さず洗い流すという意味を込めて食品や石鹸、洗剤など「消えてなくなる」消耗品をお返しするのが一般的なマナーです。
お見舞いに来ていただいた方であれば、亡くなった時に弔問に来ていただく場合が多いと思いますので、次に香典返しとの兼ね合いはどうすればいいかをご紹介いたします。
香典返しとの兼ね合い
生前お見舞い品をいただき、同じ方より香典もいただいている場合の「御見舞御礼」の贈り方は基本的に二通りです。一つ目は香典返しと御見舞御礼の品物を両方用意する場合です。この場合は御見舞御礼の品は香典返しとは異なる品物を選びましょう。
四九日の法要後に二つ同時に配送するのが現在では一般的です。香典返しの場合は黒白か黄白の結び切りのかけ紙で、表書きは「志」、お見舞いの御礼には表書きは「御見舞御礼」として弔事包装にします。
※水引は地域によって使われる色が異なる場合がありますのでご注意ください。
二つ目は香典返しに含んで御見舞御礼を贈る場合です。この場合は香典に御見舞のお返しの分を加えた額で香典返しを用意します。例えば香典で一万円、お見舞いで一万円をいただいた場合は、その合計の二万円の半額で、一万円程度の香典返しを用意します。
お礼状は忌明け挨拶状と御見舞お礼状の2種類別々に付けた方がより丁寧ですが、挨拶状に「お見舞いも頂き、誠にありがとうございました。」などのように、お見舞いへのお礼も含まれている事がわかるように伝える方が先方にとっては親切です。
お見舞いのお返しは本来、故人が病気を治して元気に退院し、自らお世話になった方々へ贈りたかったに違いありません。 遺族として、故人のお気持ちを考えた「御見舞御礼」の品物を選びたいものですね。
お礼状の文例
ご本人が亡くなってしまった場合は、遺族の方が故人の代わりとなってお見舞い返しに添えるお礼状を書くことになります。 突然のことで何を書いて良いか戸惑ってしまう方もいらっしゃるかと思います。以下の例文を参考にして作成してみてください。
御見舞いありがとうございました
父 ○○の入院の際 ご丁寧なお見舞いをいただき厚くお礼申し上げます
願いかなわず父は永眠いたしましたが、いただいたあたたかいお言葉やお心遣いは父の心の支えになったことと存じます
生前にいただきましたご厚情を故人に代わりまして感謝申し上げます
またお見舞いを頂いておりながらご報告並びにお礼が遅くなりましたことを何卒ご容赦ください
敬白
こちらはあくまで一例です。時候の挨拶やお礼の品を贈る旨を書き加えても問題ありません。
家族葬にする場合は?
最近は親族や親しい知人だけで葬儀を執り行う「家族葬」を選ぶ家族が増えてきました。葬儀の参列人数が減少傾向にあることや、家族や親しい人だけで静かに見送って欲しいと考える人が増えていること、葬儀の費用を抑えることなどが理由として挙げられます。
家族葬の場合は葬儀前に訃報とともに弔問をご遠慮いただく連絡をする場合もありますが、訃報をすぐには伝えずに、葬儀を終えてから報告するのが一般的です。訃報をすぐに伝えない場合であれば葬儀後1~2週間後を目安にして、葬儀を無事に済ませた報告と合わせてお見舞い返しの品物を贈ります。
訃報を知って改めて香典を贈ってくる方もいらっしゃると思いますが、その場合は御見舞返しとは別に香典返しを用意して贈りましょう。
病院関係者へのお礼は?
残念ながら亡くなってしまったものの、闘病中はお医者さんや看護婦さんが親身になってお世話してくださり、遺族としてどうしても感謝の気持ちを伝えたいという事もあるかもしれません。まず、病院ではこのような返礼品の受け取りを一切お断りする規則がある場合が多いため、まずは事前に確認しておくことをお勧めします。
規則で禁止されている場合は素直に従い、お世話になった感謝の気持ちをお伝えするにとどめておきましょう。後日手紙で感謝の気持ちを伝えるのも良いですね。 お礼の品物を受け取ってもらえる場合であれば、皆さんで分けて食べられる、日持ちのする個包装のお菓子や飲み物などが相手も受け取りやすく無難です。
現金や商品券の類は避けましょう。注意点としては、病院関係者へのお礼は「弔辞用の包装はしない」という事です。表書きは「御礼」とし、無地や普通の包装紙で贈るようにしてくださいね。
この記事に関係する商品
マナーサイトカテゴリ