香典返しに限らず、何かを頂いたらお礼をしないと落ち着かない人もいるかも知れませんね。しかし、お礼がかえって失礼になる場合もあるのです。香典返しを頂いた時の対応をここで学んでいきましょう。

お葬式に参列してお悔やみに香典を包んだ場合は、当日もしくは忌明け後にお礼として香典返しを頂く事になります。しかし、この香典返しに対してのお礼は必要ありませんので気をつけて下さい。

そもそも香典返し自体がお礼・お返しという位置づけで、お返しに対して再びお返しをすることは冠婚葬祭を通して失礼にあたります。遺族にとって忌明けに香典返しを贈る事は、身内の不幸に一区切りをつけるという意味合いも含まれています。

そこへ礼に対して礼を続けるのは不幸が続くという意味にもなってしまいます。何か品物をもらったらお礼をしたくなる気持ちは分かりますが、この場合は失礼に当たるという事を覚えておきましょう。

香典返しを頂いてもお返しをする必要はありませんが、電話や手紙で品物の到着を報告する場合があります。この場合は到着のお知らせを兼ねて、ご遺族を気遣うお見舞いの言葉を添えたハガキを送るのがいいでしょう。

ポイントはお礼という形にならないようにすることです。「ありがとう」などお礼の言葉は避け、「ご供養のおしるしをいただきました。」「ご丁寧なお心遣い恐縮です」などにとどめ、遺族を気遣う言葉、故人の冥福を祈る言葉を簡潔にまとめましょう。

電話で報告する場合も同様に、「ありがとうございました」とついお礼を言ってしまわないように気をつけて下さい。この時期はご遺族のもとには同様の電話が集中する上に、葬儀や法要の慌ただしさがようやく落ち着く時期でもあります。

そっとしておくのが一番の気遣いという意味でもハガキでの報告の方が望ましいかも知れませんね。

最近はどんなことでもメールで済ませてしまう傾向がありますね。確かに都合のいい時に読めるメールよりも、相手に手間を取らせてしまう電話の方が迷惑と考えることもできます。しかし、現実的には電話よりもメールのほうが失礼だと感じる人はまだまだ多いため、やはりメールでの報告は避けたほうがいいでしょう。

もしメールで香典返しを受け取った旨を報告する場合でも、親しい友人や同僚などにとどめたほうがいいでしょう。ただ、気の置けない間柄であれば次に直接会った時に伝えてもいいと思います。本来、必ずしも香典返しが到着した報告をする必要はありませんので、メールにせよ、手紙や電話にせよ、杓子定規に送ればいいというものではありません。

まずご遺族の気持ちを考えた上で、必要に応じてお見舞いの言葉や故人の冥福を祈る言葉をお伝えするという気持ちでいることが大切だと言えるでしょう。