香典返しに対する考え方は地域だけではなく、家庭によっても様々です。お礼の気持ちが失礼になってしまうという事がないように、地域や家庭の習慣をよく知る周りの方や葬祭業者の方に確認しておくのが大切ですね。
地域によって違う香典返し
香典返しに対する考え方は地域だけではなく、家庭によっても様々です。お礼の気持ちが失礼になってしまうという事がないように、地域や家庭の習慣をよく知る周りの方や葬祭業者の方に確認しておくのが大切ですね。
関東地方の習慣
関東では一般的に、香典返しは「半返し」です。頂いた香典の半額程度を目安に品物と挨拶状を添えてお返しするのが基本ですが、親戚の方などから高額な香典を包んで頂いた時など、3分の1程度のお返しをする場合もあります。
近年では葬儀の当日に香典返しを行う「当日返し(即返し)」が浸透してきています。当日返しでは一律2,000円~3,000円程度の香典返しをお渡しするのが一般的ですが、高額な香典を頂いた場合は忌明け後に改めて品物を贈ります。
頂いた香典の額に見合うように(半返しになるように)金額を調節するという感じですね。即返しの習慣はほかの地域でもありますが、頂いた香典の額に関わらずお返しは一律同じ品物という地域も多く見られますので、関東地方の特徴と言えるかもしれません。
関西地方の習慣
関西では親族以外の香典を受け取らないというケースが増えてきています。これは香典返しの手間を省くためという見方もあり、特に関西の都市圏に見られます。お通夜における関東と関西の違いとして、「通夜ぶるまい」があります。
関東では親族だけではなく参列者にも食事を振る舞いますが、関西では通夜振る舞いの習慣はなく、親族だけで食事を行うのが一般的です。こういった事情の違いが香典返しの習慣に影響を与えているとも言えるでしょう。
掛け紙の表書きに「満中陰志」と書く、黄白の水引を使用する、という点も関西地方の特徴ですね。関西地方の香典返しは3分の1が相場だと言われていますが、現在では全国各地から参列者が訪れることもあり、関西でも半返しの習慣が広まっています。 単純に東西で分けるのは難しいでしょう。
その他の地域のならわし
北海道や東北地方では当日返しが主流と言われています。包んだ香典の額に関わらず、四十九日忌明けのお返しは基本的には無いようですね。当日返しと言っても実際は会葬御礼の品を渡して香典返しは無し、という場合も多く、このような習慣は地域差はあるものの、全国各地に見られます。
群馬県や北関東の一部では「新生活」というものがあります。 これは本来は戦後貧しい時代に経済的な負担を少なくする目的で、香典を少なくして香典返しを辞退するというもので、前述の地域では現在もこの習慣が残っています。
これらの地域では、葬儀の際に受付が「一般」と「新生活」に分かれています。新生活で贈る場合は、1,000円~2,000円を包み、「新生活運動の趣旨に沿ってお返しを辞退致します」と記入された香典袋を使用します。
このように香典返しの習慣は地域や家庭によって様々です。自分の常識が相手の非常識になってしまうこともありますので、注意して下さいね。
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